障がい者施設の求人サイトを制作して1ヶ月で2件の応募が来た話|「福祉らしさ」を出さないデザインの考え方

「福祉っぽいデザインにしないでほしい」
これが、カナナル茂原(就労継続支援A型事業所)のサイト制作を依頼された際の最初の要望でした。
障がい者施設なのに、なぜあえて福祉感を消すのか。
その理由と、公開1ヶ月で求人応募2件につながった設計の考え方を書きます。
クライアントの課題
カナナル茂原が抱えていた課題はシンプルでした。
- 求人への応募を増やしたい
- ただし、「いかにも障がい者施設」というデザインにはしたくない
- 前向きに働きたい人が、自然に応募できるサイトにしたい
この3点がブレなかったことで、サイト全体の設計方針が決まりました。
なぜ「福祉感を出さない」のか

就労継続支援A型は、障がいのある方が利用者として働きながら、一般就労へのステップアップを目指す場所です。
利用を検討している方の中には、「障がい者施設に通っている」と周囲に知られることを気にして、応募をためらう方が少なくありません。
働きたい気持ちはあっても、いかにも福祉施設らしいデザインのサイトを見た瞬間に、応募に踏み切れなくなってしまう。
クライアントが気にしていたのもそこでした。
利用者として来る方にもプライドがあります。
「ここに通っている自分」をどう感じられるか。
それが応募するかどうかの分かれ目になります。
福祉系サイトの定番デザインは、パステルカラー・温かみのある書体・スタッフと利用者の笑顔写真、という組み合わせが多いです。
それ自体は悪くありません。
ただ、応募を検討している方の目線で見たとき、「いかにも施設っぽい」「重そう」という第一印象につながることがあります。
施設の種別より「ここで働く自分」がイメージできる設計にすることで、応募ハードルを下げることができます。
設計で意識したこと

ターゲットを「前向きに働きたい人」に絞った
サイトを見る人は2種類います。施設のサービス内容を調べている方と、利用者として働くことを検討している方です。
カナナル茂原のサイトは利用者求人の獲得が目的だったため、応募を検討している方に向けた設計を優先しました。
「ここで働くとどんな環境か」が伝わることを最優先にしています。
「施設らしさ」より「働くイメージ」を前面に出した

ファーストビューのコピーは「安心して働ける毎日を、茂原から。」にしました。
施設の説明より「働く」というイメージを先に伝えることが目的です。
その下の見出しも「あなたのなりたいを叶える事業所」。
施設の紹介ではなく、訪問した人への語りかけから始まる構成にしています。
写真もオフィス環境・スーツ姿のビジネスパーソンを使用しました。
福祉施設のサイトでよく見るような、利用者とスタッフが一緒に写った写真は使っていません。
「ここで働いている自分」をイメージしやすくするための選択です。
カラーで「重さ」を出さなかった
カラーパレットは白・グレー・くすんだグリーンのみに絞りました。
福祉系サイトによく使われるパステルカラーや暖色系は使っていません。
温かみより、清潔感と落ち着きを優先しています。
「福祉施設で働いている」ではなく、「きちんとした職場で働いている」という印象を持ってもらうための判断です。
利用者求人への導線をトップページから分かりやすく設置した

トップページから「利用者求人はこちら」のボタンを目立つ位置に配置しています。
「なんとなく興味を持った人」がそのまま求人ページに進める導線を意識しました。
興味があっても求人ページにたどり着けなければ応募には至りません。
結果:公開1ヶ月で求人応募2件
サイト公開から1ヶ月で、求人への応募が2件来ました。
SEOや広告は特に実施していません。
サイトを公開しただけの状態で、これだけの応募があったことは、設計の方向性が正しかった証明だと考えています。
まとめ:サイトは「誰に向けて作るか」で変わる
業種のイメージに引っ張られたデザインが、むしろターゲットを遠ざけることがあります。
「福祉施設だから温かみのあるデザインにしよう」という発想は自然ですが、それが応募のハードルを上げているケースがあります。
大切なのは、業種のイメージに従うことではなく、「このサイトを見てほしい人に、何を伝えるか」を先に決めることです。
カナナル茂原のケースで言えば、答えは「前向きに働きたい人に、ここで働く自分をイメージさせる」でした。
それが決まれば、デザインの方向性は自然と決まります。
ホームページは作って終わりではなく、誰に向けて何を伝えるかを設計してから作るものです。
その順番を間違えると、見た目がきれいでも成果につながりません。
ホームページの制作や、求人・集客のための設計について相談したい場合は、お気軽にご連絡ください。
現状のサイトや課題をお聞きした上で、何ができるかをお伝えします。
