
Google広告の費用は中小企業なら月3万円から|実データで見る相場と、SEOとの使い分け

「Google広告って、結局いくらかかるの?」
これを調べると、ほとんどの記事に「月20万〜50万円が目安」と書いてあります。
でも、中小企業の経営者がその数字を見て思うのは「うちにはそんな予算ない」でしょう。
結論から言います。
中小企業のGoogle広告は、月3万〜5万円でも申込みを取れます。
実際に私が運用しているクライアントは、月3万円の広告費を17ヶ月続けて、広告経由の申込みを307件、1件あたり約1,690円で獲得しています(2025年3月〜2026年7月の実数)。
この記事では、相場の一般論ではなく、実際に運用しているアカウントの「月いくら払って、何件取れて、1件あたりいくらだったか」という実数を公開します。
あわせて、この2年で広告費を月20万円から月3万円まで動かしてきた実データも公開します。金額を決めていたのは、予算ではありませんでした。
目次
なぜ「費用相場」の記事は当てにならないのか

先に、よくある相場記事の問題点を正直に書いておきます。
「月20万〜50万」は中規模以上の話
相場記事に出てくる「月20万〜50万円」という数字は、嘘ではありません。
ただ、それはある程度の規模の広告主の平均です。
これらの記事の多くは広告代理店が書いています。
代理店の主な顧客は、月20万円以上の予算を出せる中規模以上の企業です。
だから相場もその層の数字になる。
中小企業や個人事業主が月3万円で運用している実態は、相場のレンジに入ってきません。
悪意があるわけではなく、見ている顧客層が違うだけです。
でも、月数万円で始めたい中小企業にとっては、その相場はリアルじゃない。
「計算式」は答えになっていない
もう一つ、相場記事に必ず出てくるのが、この計算式です。
目標クリック数 × クリック単価 = 広告費用
一見もっともらしいですが、よく考えてください。
クリック単価がいくらか分からないから費用を知りたいのに、そのクリック単価を使った式を出されても答えになっていません。
結局「業種や競合で変わります」で締めくくられて、読者は「で、うちはいくらなの?」が分からないまま終わる。
これが相場記事の限界です。
だから、計算式ではなく実数を見せます。
実データ:2社が「月いくらで何件取れたか」

私が運用している案件の中から、予算と成果を実数で公開できる2つを並べます。
| 案件(業種) | 月額広告費 | 月間申込み(広告経由) | 1件あたり獲得コスト |
|---|---|---|---|
| ガンプラ買取 (2025年3月〜2026年7月・17ヶ月) | 約3万円 | 月平均18件 (7〜30件) | 約1,690円 |
| 月額継続課金型サービス (2025年・契約終了) | 約5万円 | 月9件前後 | 約5,500円 |
上の段は、1ヶ月だけ切り取った数字ではありません。同じ予算で17ヶ月回した通算です。単月で見ると1件あたり983円の月もあれば5,871円の月もあり、月ごとの数字を1つ取り出しても実力にはなりません。
下の段は2025年の数字で、すでに契約が終了している案件です。当時の記録をもとにしているため、いま管理画面を開いて確かめ直すことはできません。それでも並べているのは、業種が違えば同じ「申込み1件」でもコストがまるで変わることを見てもらうためです。
数字を見るときの注意することが2つ。
注意点1:申込み全体のうち、広告経由はどれか
ガンプラ買取は、サイト全体では同じ17ヶ月で1,320件の申込みがありました。月平均で78件です。
これをどこから来たかで分けると、自然検索(SEO)経由が614件、広告経由が307件、お気に入りや直接訪問などが399件。上の表に載せたのは、このうち広告経由の307件だけです。
広告費に対する1件あたりの獲得コストを正確に出すために、広告以外の申込みは混ぜていません。
ここを混ぜて「広告で月78件、1件あたり392円」と書くと数字が実態とズレるので、切り分けています(この自然検索との関係は後述します)。
注意点2:1件あたりのコストは業種で3倍変わる
同じ「申込み獲得」でも、案件によって1件あたりのコストが3倍以上違います。
ガンプラの約1,690円と、月額課金型の約5,500円。
これは運用の上手い下手ではなく、業種と競合状況でクリック単価が変わるからです。
この感覚は『Google広告のクリック単価の相場』で詳しく書いています。
つまり「Google広告はいくら?」に、業種を抜きに一つの数字で答えること自体が無理なんです。
自社の業種でいくらかかるかは、少額でテストして実数を見るのが一番早い。
ちなみに、ガンプラ買取の1件あたり約1,690円という数字は、代理店の相場で語られる金額(数千円〜数万円)と比べても、かなり低い水準です。
月3万円という予算自体が、相場の下限(月20万)の6分の1以下。
中小企業でも、業種と運用次第でここまで効率化できます。
広告費を本当に下げる鍵は「SEOとの使い分け」

ガンプラ買取が月3万円まで広告費を下げても申込みが止まらなかったのは、運用テクニックのおかげではありません。
自然検索(SEO)が育って、広告が担っていた役割を引き継いだからです。
ただし、先に正直に書いておきます。「月3万円」という金額を決めたのは、自然検索が育ったからではありません。お店が捌ける件数がそこだったからです。
このアカウントの2年分のデータを時系列で見ると、その事情がそのまま映っています。
立ち上げ期(運用開始から数ヶ月)
2024年7月から9月までの3ヶ月は、月17万5,000円〜20万円の広告費を投じていました。
サイトがまだ検索で評価されておらず、この3ヶ月の自然検索経由の申込みは0件・2件・11件。ほぼゼロです。
広告で一気に申込みを立ち上げるフェーズでした。
1件あたりの獲得コストは、いまの2倍以上かかっています。同じサイト・同じ運用者でも、立ち上げ期と成熟後ではこれだけ違います。
移行期
2024年10月、広告を完全に止めました。
成果が出なかったからではありません。逆です。申込みが増えすぎて、現場が捌ききれなくなったからです。
広告費ゼロで走った2ヶ月間、自然検索経由の申込みは19件と35件。この時期に自然検索が立ち上がってきていたことは、数字にも出ています。
ただし、ここできれいに「では広告はもう要らない」とはなりませんでした。
12月に約6万円で再開し、翌1月は約15万7,000円まで戻しています。そして2025年2月、サイト全体の申込みが月125件に達して、また溢れました。
月3万円に固定したのは、その翌月からです。
現在
広告は月3万円で固定し、自然検索が申込みの主力になっています。
広告の役割は「自然検索で取りきれない層を補う」ことに変わり、1件あたりの獲得コストも約1,690円まで下がりました。
この2年が意味するのは、「広告は永遠に同じ額を払い続けるものではない」ということです。
最初は広告で立ち上げ、自然検索が育ったら広告を絞る。トータルの集客コストは、時間とともに下げられます。
そしてもう一つ。広告費の上限を決めるのは、出せる金額ではなく、捌ける件数です。
申込みが月100件を超えても電話に出られないなら、その広告費は成果ではなく、対応しきれないお客さんを増やしただけになります。この会社が2年で2回、広告を止めたり絞ったりしているのは、まさにそれが起きたからです。
広告費の議論を「月いくら」の一点だけで考えると、この視点が抜け落ちます。
中小企業はいくらから始めるべきか

実データを踏まえた、現実的な指針です。
まずは月3万〜5万円でテストする
いきなり月20万円を投じる必要はありません。
さきほど「立ち上げ期は月20万円近く投じていた」と書いたので、矛盾して見えるかもしれません。あれは条件が2つ重なったケースです。サイトを作ったばかりでアクセスがゼロだったことと、早く申込みが欲しいという要望があったこと。この2つが揃うと、広告以外に人を集める手段がありません。
ただ、この記事を読んでいる方のサイトは、もう何年か動いているはずです。いまアクセスが少なくても、公開したばかりの新規サイトとは条件が違います。
そして「今月中に何件」という締切がないなら、広告で一気に立ち上げる理由もありません。
中小企業の場合、最初は月3万〜5万円でテストして、データを見ながら判断するのが正解です。
理由は2つあります。
理由1:効くキーワードは事前に分からない
ひとつは、最初から「効くキーワード」は誰にも分からないからです。
経験があっても、実際に配信してデータを見るまで、どのキーワードが申込みにつながるかは確定できません。
少額でテストして、効くものに予算を寄せる。
これが低予算運用の鉄則です。
理由2:広告はサイトの問題を見つける道具
もうひとつは、広告がサイトの問題を見つけるツールにもなるから。
ある案件では、広告を出したことで「フォームまで来た人が申込まずに離脱している」ことがデータで分かりました。
広告は申込みを増やすだけでなく、どこで取りこぼしているかを教えてくれます。
具体的な少額運用のやり方は、『月5万円以下でGoogle広告を始める方法』にまとめています。
「予算が足りるか」が不安な人へ
「月3万円のつもりが、気づいたら超えていたら怖い」という不安はよく聞きます。
これは日予算を設定すれば、月単位で大きく超えることはありません。
詳しくは『Google広告の予算は超えるのか』で実際の運用データをもとに解説しています。
少ない予算をムダにしないために

低予算で成果を出せるかは、「絞る判断」ができるかにかかっています。
予算が少ないほど、関係のないキーワードに1円も使えません。
申込みに直結するキーワードだけに絞り込む。
この絞り込みが甘いと、あっという間に上限に達して、肝心のユーザーに広告が届かなくなります。
特に予算が少ない中小企業ほど、狙うキーワードを3つ程度まで絞るべきです。
考え方は『中小企業こそキーワードを絞るべき理由』で書いています。
そしてもう一つ、見落としがちな判断があります。
成果が出ていても、費用対効果が悪いキーワードは外すこと。
1件取れても、その1件に3万円使っていたら、月5万円の予算では割に合いません。
「成果が出たか」ではなく「1件あたりの獲得コストが許容範囲か」で判断する。
予算が少ないほど、この徹底が効きます。
まとめ:費用の正解は「自社の実数」にしかない
Google広告の費用について、押さえておきたいことを整理します。
「月20万〜50万」という相場は、中規模以上の企業の数字です。
中小企業は月3万〜5万円でも申込みを取れます。
実際に、月3万円を17ヶ月続けて、1件あたり約1,690円という案件があります。
ただし、いくらかかるかは業種と競合で大きく変わります。
相場の一般論を探すより、少額でテストして自社の実数を掴むのが、結局いちばん早くて正確です。
そして、広告費は「月いくら」の固定費ではありません。
広告で立ち上げ、自然検索が育ったら広告を絞る。
この組み合わせで、集客コストは時間とともに下げられます。
そしてもう一つ。広告費の上限を決めるのは、出せる金額ではなく、捌ける件数です。
申込みが増えても対応しきれないなら、その広告費は成果になりません。まず「月に何件までなら受けられるか」を決めてから、予算を考えてください。
「代理店に相談したら予算が足りないと言われた」「月数万円でGoogle広告を試したいが、何から始めればいいか分からない」という方は、一度SALUTAMにご相談ください。
予算と目標をうかがった上で、その予算で現実的に何ができるか、広告とSEOをどう組み合わせるかまで含めて、実際の運用経験をもとにお伝えします。