
Googleの口コミは「増やす」から始めると失敗する|返す・消す・減らす・増やすの順番

「Googleの口コミを増やしましょう」
MEO対策の記事を読んでも、業者から営業を受けても、ほぼ必ずこの一言から始まります。
たしかに口コミの数と評価は、Googleマップの順位に関係します。
これはGoogleが公式に説明していることなので、間違いではありません。
ただ、実際に店舗のGoogleビジネスプロフィールを運用していると、この順番でやると多くの店が最初の一歩で止まります。
理由はシンプルで、口コミを増やすかどうかを決めるのは、お店ではなくお客さんだからです。
一方で、いま画面に並んでいる口コミをどう扱うかは、今日から自分の判断だけで動かせます。
この記事では、実際に7社のWeb運用をしている立場から、口コミ運用を「返す・消す・減らす・増やす」の4つの順番で整理します。
特に「消す」については、実際にGoogleへ削除を申請して、口コミが消えた実例を書きます。
ここは代行業者に依頼する前に、自分でできることです。
目次
なぜ「増やす」から入るとうまくいかないのか

増やすのは、自分では決められない
口コミを増やす方法は、レジにQRコードを置く、レシートに印刷する、声をかける、といったものです。
どれも有効ですが、共通しているのは「お願いすること」しかできない点です。
書くかどうかはお客さんが決めます。
だから、頑張っても今週中に10件増える保証はどこにもありません。
「まず増やしましょう」と言われて手が止まるのは、当然のことです。
返信は、自分だけで完結する
一方、いま投稿されている口コミにどう返信するかは、お店の判断だけで今日決められます。
そしてGoogleは、口コミに返信することがローカル検索での評価につながる、という趣旨の説明を公式ヘルプで公開しています。
つまり返信は「マナー」ではなく、順位に関係する運用です。
自分で動かせて、しかも評価にも関係する。
ここから手をつけるのが、実務としては明らかに早いです。
増やすことを否定しているわけではない
念のため書いておくと、口コミを集める仕組みづくりは必要です。
口コミがゼロのままでは、他店と並んだときに比較で負けます。
その具体的な作り方は「効果ない」Googleビジネスプロフィール|5つの原因にまとめています。
言いたいのは「増やすな」ではなく、「増やす前に、自分の判断だけで進められることが3つ残っている」ということです。
口コミ運用は、この順番でやる

順番はこうです。
- 返す……いま並んでいる口コミに、基準を決めて返信する
- 消す……ルール違反の口コミは、自分で削除を申請する
- 減らす……そもそも悪い口コミが生まれない状態を作る
- 増やす……ここまで整えたうえで、集める仕組みを置く
業者の提案は、ほぼ例外なく4から入ってきます。
月に何件獲得します、全件に返信を代行します、という形です。
量で売る商品なので、そうなるのは自然なことです。
ただ、お店側が実際にやるべき順番とは逆になっています。
①返す:ただし、全部には返さない

低評価ほど返す
最初に返すべきは、★1〜★2の低評価です。
低評価は、これから来店を検討している第三者が一番注意深く読むところです。
ここが放置されていると、書かれた内容を事実として受け止められてしまいます。
特に接客やトラブルに関する内容は、そのままにしないほうがいいです。
返信の目的は投稿した本人を説得することではなく、後からそれを読む人に、お店の姿勢を見せることにあります。
高評価は、選んで返す
意外に思われるところですが、★4〜★5は全部に返信しなくて構いません。
すべての口コミに返信が並んでいる状態は、丁寧というより宣伝っぽく見えることがあります。
実際に運用している店舗では、低評価はほぼすべて、中間は半分程度、高評価は3〜4割程度という配分に落ち着いています。
星ごとの具体的な線引きは、オープン月に約3万セッション集まりましたが、SEOの成果ではありませんでした|9割が店名検索だった話の後半に、実際の運用基準としてまとめています。
返信しないほうがいい口コミもある
返信することが逆効果になる場合もあります。
料金の話、他店との比較、サービス内容の細かい指摘など、返信すると議論の続きになりかねない内容は、あえて何も書かずに置いておく判断をしています。
返す・返さないの判断基準は、最終的にはひとつだけです。
それを読んだ第三者にとって、安心材料になるかどうか。
②消す:「気に入らない」では消えないが、消えるものは消える

ここからが、この記事で一番書きたい部分です。
実際に消えた口コミ
以前、採用に関わるクライアントのGoogleビジネスプロフィールに、明らかにおかしな口コミが投稿されたことがありました。
内容は会社への強い不満で、しかもスタッフの名前まで書かれていました。
ただ、事実確認をすると話が合いません。
書いた人は会社見学に来て説明を聞いただけで、そこで働いた事実がありませんでした。
それなのに、長く在籍していた人が書いたような書き方になっていたのです。
そこで、Googleに削除を申請しました。
Googleは、投稿されるコンテンツはその場所での実際の体験に基づいている必要がある、というルールを公開しています。
報告の理由として選んだのは、「このビジネスでの経験に基づいていない口コミ」にあたる項目です。
2026年8月時点では「トピックと関係ない」という名前で並んでいて、説明文に「このビジネスでの経験とは関係ないクチコミ」と添えられています。
ただ、この項目名はGoogle側の変更で入れ替わります。
名前を覚えるのではなく、「どのルールに反しているか」から選んでください。説明文まで読めば、名前が変わっていても対応する項目は見つかります。
結果、申請からおよそ1ヶ月後に、その口コミは消えていました。
通知は来ない。ただし、状況は確認できる
ここは実際にやってみて分かったことですが、Googleから「削除しました」という連絡は来ませんでした。
申請したあと、しばらく何の反応もありません。
忘れたころに確認したら、口コミが表示されなくなっていた、という流れです。
なので、申請して数日で変化がなくても、失敗したと思わなくて大丈夫です。
判断には時間がかかります。
なお、なぜ消えたのかをGoogleが説明してくれるわけではないので、「この理由で申請すれば必ず通る」と断言はできません。
ただ、ルールに当てはまるものを、当てはまる形で申請すれば、実際に消えることはあるというのが、手元の事実です。
なお、通知は来ませんが、結果を確認する場所はあります。
Googleが用意している「クチコミ管理ツール」で、自分が出した報告が今どうなっているかを見られます。
表示されるのは3つの状態です。
- 判定待ち……報告は届いているが、まだ審査されていない
- 審査完了・ポリシー違反なし……審査された結果、違反は無いと判断された
- エスカレーション済み……再審査に進んでいる。結果はメールで届く
そして「違反なし」で終わった場合、1回だけ再審査を請求できます。
同じツールから、対象の口コミを選んで送る形です(一度に選べるのは10件まで)。
1回限りなので、通らなかったからといって何度も出し直せるものではありません。
逆に言えば、最初の報告で違反の種類を適当に選ぶと、やり直しの権利を1回分そこで使ってしまいます。
手順は、Googleビジネスプロフィールのヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」に公開されています(2026年8月時点)。
消えるもの・消えないものの線引き
ここを間違えると、時間だけを使うことになります。
申請を検討していいもの(→ 報告画面で選ぶ項目)
- その場所を利用していない人が、利用したかのように書いている → トピックと関係ない
- 個人名や連絡先など、本人の同意がない個人情報を含む → 個人情報
- 特定の個人を名指しで攻撃している → いじめ、嫌がらせ
- 口汚い言葉や、不適切な表現を含む → 冒とく
- 競合や、利害関係のある人が書いている → 利害に関する問題
このほかに「スパム」「人種差別、ヘイトスピーチ」の項目もあります。
申請しても消えないもの
- 内容が事実で、評価が低いだけの口コミ
- 「思っていたのと違った」という感想
- お店にとって都合が悪い、という理由だけのもの
低評価であること自体は、削除の理由になりません。
消せるのは「ルールに違反しているもの」だけです。
ここを混同したまま「悪い口コミを消したい」と考えると、いつまでも解決しません。
もうひとつ、報告画面の下に「法的事項に関するヘルプ」という案内が出ています。
ポリシー違反としての報告とは別に、法的な理由で申し立てる窓口があるということです。
事実と違う内容を書かれて実害が出ている、といったケースは、ポリシー違反の報告では受け皿がありません。入口はこちらになります。
ただし、ここから先は法律の判断になります。弁護士など専門家に相談してください。
申請の手順
やること自体は数分で終わります。
- Googleビジネスプロフィールで「クチコミを読む」を開き、対象の口コミを探す
- 口コミの右上にある丸の中に「!」が入ったマークを選ぶ
- 報告する理由を選んで送信する
- あとは待つ
パソコンでもスマートフォンでも操作できます。
特別な権限も、費用もかかりません。
代行に払う前に、自分で出す
口コミの削除代行というサービスがあります。
ただ、いま説明したとおり、申請そのものはお店の人が数分でできます。
そして消えるかどうかを決めるのはGoogleであって、申請した人ではありません。
だから、まず自分で出してみるのが先です。それで消えれば費用はゼロです。
「うちが申請すれば消せます」という営業の言い方には注意したほうがいいと考えています。
この手の営業トークの見分け方は、「MEO対策します」の営業電話は危ない|悪質業者6つの特徴にまとめています。
③減らす:悪い口コミは、書かれる前に減らせる

ここまでは「投稿された口コミ」への対応でした。
ただ実務でやってみると、そもそも悪い口コミが生まれにくい状態を作るほうが、対応より効きます。
たとえば混雑する時間帯を先に告知しておくと、混雑に関する低評価が目に見えて減りました。
来店前に知っていれば「思っていたのと違う」というギャップが生まれないからです。
これは特に、お店の実態がまだ知られていないオープン直後に効きます。
この使い方については、Googleビジネスプロフィールの投稿は順位に効くのか|投稿2回で1位になった店の話に、実例と一緒に書いています。
投稿機能は順位を上げる道具ではなく、先回りして伝える道具だ、という話です。
④増やす:ここまで整えて、はじめて集める

返す基準ができて、違反投稿への対処を知って、発生源を減らした。
ここまで来て、はじめて「増やす」が意味を持ちます。
やり方はシンプルで、レジや卓上にQRコードを置く、レシートや名刺にURLを入れる、店内で案内する、といった形です。
強くお願いする必要はありません。
置いておくだけでも増えます。
一気に集めようとしない
ひとつ注意点があります。
短期間に口コミが集中すると、Googleのシステムが不自然と判断して、口コミが一時的に表示されなくなることがあります。
実際に、運用している店舗でオープン直後にこれが起きました。
そのときの経緯と、その後どうなったかは「効果ない」Googleビジネスプロフィール|5つの原因に書いています。
結果的に、Googleが自然と判断した口コミだけが残る形になりました。
大事なのは、一時的に集めることではなく、毎月少しずつ積み上がる状態を作ることです。
特典と引き換えの口コミは、絶対にやらない
これだけは例外なく避けてください。
割引や無料サービスと引き換えに口コミを書いてもらう、報酬を払って書いてもらう、利用していない人に書いてもらう。
これらはGoogleのルール違反であるだけでなく、景品表示法に触れるおそれもあります。
プロフィールが停止されるリスクもあり、そうなったときの復旧は、口コミを集める手間とは比べものにならない負担になります。
星の数を早く上げたい気持ちは分かりますが、ここは近道を探さないほうが安全です。
まとめ:動かせるところから動かす
整理します。
- 口コミを増やすかどうかを決めるのはお客さん。だから「増やす」から入ると止まる
- ①返す……全部には返さない。低評価はほぼすべて、高評価は選んで。基準は「第三者の安心材料になるか」
- ②消す……低評価というだけでは消えない。ただしルール違反にあたるものは、自分で申請すれば実際に消えることがある。費用はかからない
- ③減らす……先回りして情報を出せば、悪い口コミの発生そのものを減らせる
- ④増やす……ここまで来てから。一気に集めず、特典と引き換えは絶対にやらない
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そして今日できることは、口コミを増やすことではなく、いま画面に並んでいる口コミを、基準を持って見直すことです。
それなら今夜からできます。
「悪い口コミが書かれてしまって、どう対応すればいいか分からない」「業者から口コミの代行を勧められているが、頼むべきか判断できない」という状況であれば、SALUTAMにご相談ください。
実際のプロフィールを一緒に見ながら、いま手をつけるべきところと、放っておいていいところを整理します。
なお、MEOのうちどこまでを自社でやれるのかについては、MEO対策は自分でできる|業者が「プロじゃないと無理」と言う中身を解剖するにまとめています。
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