「立地が悪いから集客できない」は本当か|月1万件超の道案内事例

「うちの店は駅から遠いから集客できない」
中小企業の経営者から、この言葉を聞かない月はありません。
実際、「店舗 集客 駅から遠い」で検索すると、上位記事はだいたいこんなアドバイスを並べています。
- 「隠れ家コンセプトで差別化を」
- 「SNSで話題を作って」
- 「特殊な業態を目指して」
- 「メディアに取り上げられる店づくりを」
どれも間違いではありませんが、共通する弱点があります。
再現性がないことです。
「隠れ家コンセプトに変えろ」と言われても、すべての業種で隠れ家路線が成立するわけではありません。
「SNSで話題を」も、バズるかどうかは運次第です。
この記事では、最寄駅から遠い立地の店舗が、特殊なコンセプトもバズも使わず、Web施策だけで月3万人にプロフィールを見られ、月1万件以上の道案内(ルート検索)を発生させている事例を、実データとともに紹介します。
先に結論:実データを公開する

弊社で運用している関東のクレーンゲーム専門店の実データです。
| 指標 | オープン1〜3ヶ月目の月平均 |
|---|---|
| プロフィール閲覧数 | 約28,800人 |
| 道案内(ルート検索) | 約11,400件 |
| ウェブサイトクリック | 約2,000件 |
| 通話 | 約290件 |
注目してほしいのは「道案内(ルート検索)が月1万件以上」という数字です。
ルート検索は、Googleマップで「この店に行きたいから道順を教えて」と求めた回数です。
閲覧されただけでは発生しない、来店意欲の最終段階の指標です。
つまりこの店舗は「見られているだけ」ではなく、月に1万人以上が「行きたい」と思って道順を確認している、という状態です。
立地が悪くても、Web施策だけでこの数字は作れます。
ネット記事のアドバイスは、なぜ現実的でないのか

冒頭で挙げた一般的なアドバイス(隠れ家コンセプト、SNSで話題、特殊業態など)には、3つの問題があります。
問題1:再現性がない
「隠れ家コンセプト」も「SNSバズ」も、一部の店舗にしか当てはまりません。
クレーンゲーム店、整体院、不動産屋、リフォーム会社などは、隠れ家路線が成立しにくい業種です。
問題2:運や時間に依存する
メディアに取り上げられるかどうかは運次第。
SNSのバズも狙って起こせるものではありません。
「いつかバズる日まで頑張る」では、経営は持ちません。
問題3:実行コストが高い
業態を変える、コンセプトを刷新する、SNSを毎日更新する。
これらは時間も人手も必要です。
中小企業がいきなり実行するのは難しい。
中小企業に必要なのは、地味だが確実で、すぐに着手できる施策です。
オープン直後から数字が出ている|オープン週の5日間で12,379件のルート検索

この店舗は、オープンしたばかりの最初の週(5日間)でこの数字を出しています。
| 期間 | 閲覧 | 道案内(ルート検索) | 通話 |
|---|---|---|---|
| オープン週(5日間) | 26,218 | 12,379 | 254 |
オープンから5日間です。
オープンしたばかりの店舗で、12,379件のルート検索が発生する。
普通はあり得ない数字です。
新規オープンの店舗は、そもそも認知されていないので、Googleマップで表示される回数自体が少ないからです。
なぜこの数字が出たか。理由は1つです。
オープンの数週間前から、Googleビジネスプロフィール(GBP)を仕込んでいたからです。
具体的にやったのは以下です。
- カテゴリを正しく設定(メイン1つ+追加カテゴリ)
- 営業時間・属性・サービス内容をすべて入力
- 外観・内装・商品の写真を事前にアップロード
- 店舗の説明文を最適化
- ホームページとSNSの導線を整備
オープン前にこれを完了させておくと、オープン当日からGoogleマップの検索結果でフル装備の状態で表示されます。
「店ができてから準備する」では遅すぎます。
「店ができる前に準備が完了している」のが正解です。
オープン前のホームページ準備の重要性については、『店舗オープン前にホームページを作るべき理由』で詳しく書いています。
月別の推移|数字は「立ち上がり期」と「定常期」で見方が違う

オープン週から3ヶ月までの月別データはこうなっています。
| 期間 | 閲覧 | 道案内(ルート検索) | 通話 | Webクリック |
|---|---|---|---|---|
| オープン週(5日間) | 26,218 | 12,379 | 254 | 3,413 |
| オープン1ヶ月目 | 38,244 | 16,261 | 363 | 3,549 |
| オープン2ヶ月目 | 21,502 | 8,270 | 221 | 1,081 |
| オープン3ヶ月目 | 26,699 | 9,605 | 288 | 1,490 |
ぱっと見ると、オープン1ヶ月目(ピーク期)と2〜3ヶ月目(定常期)で数字が違います。
ピーク期(1ヶ月目)の数字
ピーク期は、口コミが急増した時期です。
閲覧38,244、ルート検索16,261と一気に伸びました。
新規オープンへの注目度が高い時期で、SNSや口コミでの拡散もこのタイミングで集中します。
定常期(2〜3ヶ月目)の数字
定常期に入ると、月の閲覧は2〜2.6万人、ルート検索は8,000〜10,000件で安定しています。
ピーク期の数字を見せて「これが普通です」と書く記事もありますが、それはミスリードです。
定常期の数字こそが、その店舗の本当の集客力です。
定常期でも月8,000〜10,000件のルート検索が発生している。
「立地が悪い」と諦めていた店舗にとっては、これだけでも大きな数字です。
ちなみに、月によって閲覧数とルート検索の比率も変わっています。
| 期間 | 閲覧/ルート検索の比 |
|---|---|
| オープン1ヶ月目 | 約2.4倍 |
| オープン2ヶ月目 | 約2.6倍 |
| オープン3ヶ月目 | 約2.8倍 |
時間が経つにつれて、「見ているだけの人より、行動する人の比率が上がっている」とも読めます。
これは、口コミや評価が安定してきたことで、見た人が「行こう」と決めやすくなった結果と考えられます。
なぜ月1万件超のルート検索が発生するのか|3つの要因

特殊なコンセプトもバズもないのに、なぜこれだけの数字が出るのか。
要因は3つあります。
要因1:MEO(GBP)の運用を続けている
GBPを「登録しただけ」ではなく、運用し続けています。
- 写真の継続投稿
- お知らせ機能で混雑時間帯などを発信
- 口コミに毎日返信
- カテゴリや情報の最新化
これだけで「地域名 + クレーンゲーム」「地域名 + UFOキャッチャー」などのローカル検索で1位を獲得し続けています。
MEOで1位を取ると、Googleマップに表示される回数が圧倒的に増える。
表示回数が増えれば、当然ルート検索も増えます。
GBPの具体的な運用方法は、『Googleビジネスプロフィールが「効果ない」と感じる中小企業に共通する5つの原因』で書いています。
要因2:SNSとホームページが連携している
GBP単体では、ここまでの数字にはなりません。
InstagramとTikTokを並行運用していて、こんな流入経路ができています。
- Googleマップ検索 → GBP → ルート検索(直接ルート)
- SNSで認知 → ホームページ → GBP → ルート検索(間接ルート)
- 「地域名 業種」で検索 → ホームページ・GBP → ルート検索
3つの経路が並行して機能しているから、月1万件超のルート検索が発生しています。
要因3:「立地が悪い」を逆手に取った情報設計
これが一番重要です。
最寄駅から遠い立地だからこそ、来店前に確実に道順を確認したい人が多い。
駅前の店舗なら、客は「歩いて行けばいいや」と気軽に来店します。
でも駅から遠い店舗の場合、「行く前に道順を確認しよう」と考える人が圧倒的に多い。
つまり、立地が悪い店舗ほどルート検索が発生しやすいという構造があります。
ネット記事の「隠れ家コンセプトに」より、はるかに実践的な発想です。
立地が悪いことを、Web上で覆そうとするのではなく、「立地が悪い客が必ず取る行動」をWebで受け止める設計に変えればいい。
立地不利を覆す再現可能な3ステップ

ここまでの話を、誰でも真似できる手順に落とし込みます。
ステップ1:GBPを満タンにする
オープン前の店舗ならオープン前に、既存店舗なら今すぐ、GBPの情報をすべて埋めます。
- カテゴリ(メイン+追加カテゴリ最大9つ)
- 営業時間・属性
- サービス内容・店舗説明文
- 外観・内装・商品・スタッフの写真
これだけで、Googleマップの検索結果に表示される確率が大きく上がります。
ステップ2:写真投稿・口コミ返信・お知らせ投稿を回し続ける
GBPは「育てる」ものです。
- 月数枚は新しい写真を追加する
- 口コミには毎日返信する
- お知らせ機能で営業情報を発信し続ける
地味ですが、これがGoogleからの「活発な店舗」評価につながり、検索順位が上がります。
ステップ3:SNSとホームページを連携させる
GBP単体で完結させない。SNSやホームページと連動させて、複数の流入経路を作る。
- ホームページに「Googleマップで見る」のリンクを設置
- SNSのプロフィールにGBPとホームページのリンクを設置
- NAP情報(店名・住所・電話番号)を3つのチャネルで完全一致させる
特別なテクニックは1つもありません。
地味な運用の積み重ねだけで、立地が悪い店舗でも月1万件超のルート検索を作れます。
業者に頼らず、自社でも十分対応できる範囲です。
MEO業者選びで悩んでいる方は、『「MEO対策します」の営業電話は危ない|悪質業者に共通する6つの特徴』も読んでみてください。
まとめ:立地は変えられないが、Web経由の流入は作れる
「立地が悪いから集客できない」は、半分嘘です。
確かに、物理的な通行客の数は立地で決まります。
これは変えられません。
でも、Web経由でプロフィールを見てもらい、道順を確認してもらい、来店してもらうルートは、立地に関係なく作れます。
弊社で運用している関東のクレーンゲーム専門店は、最寄駅から遠い立地で、月平均で約28,800人にプロフィールを見られ、約11,400件のルート検索を発生させています。
特別なコンセプトも、SNSバズも使っていません。
GBPの運用、SNS連携、ホームページとの連動という、誰でも真似できる施策の組み合わせだけで、この数字を作っています。
「立地が悪いから何をやっても無駄」と諦めている店舗ほど、MEO・SNS・ホームページの連携で大きく伸びる余地があります。
逆に言えば、立地が悪いことを言い訳にしている間に、競合が運用を始めると追いつけなくなります。
「自社の店舗もWeb施策で集客を作りたい」「何から手をつけるか相談したい」という場合は、SALUTAMにお気軽にご相談ください。
事例ベースで、今の状態から何ができるかを一緒に整理します。
