
「SEO対策してもらっているのに順位が上がらない」会社に共通する本当の原因

「SEO対策をお願いしているのに、半年経っても順位が変わらない」
こういう相談を受けることがあります。
依頼している側は何が問題なのかわからないまま、毎月費用だけが出ていく状態です。
ただ、話を聞いていくと、先に確認したいことが必ず1つ出てきます。
その「順位」は、どこに出ている数字ですか。
先に結論を書きます。この相談の多くは、順位が上がっていないのではありません。
そもそも検索結果にほとんど出ていない状態です。
そしてこの2つは、見ている数字を変えないと区別がつきません。
区別がつかないまま毎月の作業を続けると、効かない場所にお金と時間を入れ続けることになります。
目次
その「平均順位」は、狙っている言葉の順位ではありません

毎月のレポートに「平均順位」という数字が載っていると思います。
Search Consoleを自分で開いている場合も、最初に目に入るのはこの数字です。
ここに落とし穴があります。
平均順位は、そのページが表示されたすべての検索キーワードの平均です。
狙っている言葉の順位ではありません。
3ヶ月で1回しか表示されていない言葉も、1,000回表示された言葉も、同じように混ざって1つの数字になります。
さらにやっかいなことがあります。
検索された回数が極端に少ない言葉は、プライバシー保護のためキーワードの一覧には表示されません。
平均順位の計算には入っているのに、一覧には出てこない。
この2つが重なると、次のことが普通に起こります。
平均順位は7位。でも、狙っている言葉では1回も表示されていない。
数字は嘘をついていません。
読み方が合っていないだけです。
私自身、3回とも同じ勘違いをしかけました

人の話として書くのは違うと思うので、自分のサイトの数字を出します。
1本目:平均7.21位、でも判断できない
Google広告の費用について書いた記事です。
2026年8月25日時点、過去3ヶ月の平均順位は7.21位。
7位ならほぼ1ページ目です。
ところが同じ期間の表示回数は19回。
キーワードの一覧には、1つも出てきませんでした。
全部が「表示回数が少なすぎて伏せられた言葉」だったということです。
3ヶ月で19回という母数では、順位が何位であっても判断材料になりません。
2本目:平均13.8位の中身は、45.5位だった
少額予算の広告について書いた記事です。
2026年7月31日時点、過去3ヶ月でページ全体の表示は195回、平均順位は13.8位。
2ページ目の上のほうなので、あと少し押せば1ページ目に見えます。
一覧に出ていたのは6つの言葉、合計32表示でした。
この6つで順位を計算し直すと45.5位。
狙っていた「広告 予算 少額」にいたっては57.3位です。
平均が13.8位に見えていたのは、伏せられていた163回ぶんが平均7.6位だったからでした。
ほとんど検索されない言葉で上位にいた、という意味です。
3本目:4.67位。ただし表示は3回
いま読んでいただいているこの記事も同じでした。
2026年8月26日時点、過去3ヶ月の平均順位は4.67位。
ここまでの2本より、数字だけ見ればいちばん良い。
ところが同じ期間の表示回数は3回、クリックは0回でした。
一覧に出ていた言葉も1つだけです。
「seo会社のランキングって本当にあてになりますか?」——1回表示されて5位。
この記事が狙っている言葉ではありませんし、そもそも業者を比較したい人の言葉です。
日ごとに見ると、3ヶ月=92日のうち検索結果に表示された日は2日だけでした。
4.67位という数字に実体はありません。
3本並べると、順位が良く見える記事ほど母数が小さくなっていました。
「上がらない」のではなく「立っていない」

ここまでを整理すると、「順位が上がらない」と感じている状態は、実際には2つに分かれます。
- A:表示は出ている。狙った言葉で11〜20位あたりにいる
順位の問題です。記事を手直しすれば1ページ目に押し上がる可能性があります - B:表示がほとんど出ていない。狙った言葉が一覧に1つもない
順位の問題ではありません。手直しをしても戻りません
冒頭の「半年経っても順位が変わらない」は、ほとんどがBです。
見分け方は1つだけ
Search Consoleでそのページに絞り込み、そのページがどんな言葉で表示されたかの一覧を見てください。
画面上は「クエリ」と表示されていますが、項目の名前は変わることがあるので、名前ではなく中身で覚えてください。
- 狙った言葉が並んでいる → A:手直しが効きます
- 一覧が空、または狙った言葉と関係ない言葉しか出てこない → B:手直しでは動きません
Bの状態で記事を何度書き直しても、順位は動きません。
足りていないのは文章の出来ではなく、その言葉で検索した人が必要としている内容が、そもそもサイトに無いことだからです。
順位を上げる作業と、まず表示されるようにする作業は、やることが別です。
ここを取り違えたまま半年払い続けている、というのが相談の実態でした。
なぜ、この話が業者から出てこないのか

不誠実だからではありません。
立場の問題です。
毎月お金をいただいてレポートを出す立場で、「今の数字では判断できません」とだけ書き続けるのは、構造的にかなり難しい。
しかも平均順位は、先月より改善したと書ける形をしています。
表示回数が19回でも平均は出ますし、その19回がどんな言葉だったかを書かなければ、報告書としては成立してしまいます。
これは自分に跳ね返る話として書いています。
私も運用を請けている側で、7社のサイトを見ています。
平均順位を並べればそれらしい報告書になることは知っています。
だから順位を報告するときは、ページの平均ではなく言葉ごとに出すようにしています。
都合が悪い月は、悪いまま出ます。
聞いてほしい3つのこと
これから依頼する場合も、いま依頼している場合も、確認するのはこの3つで足ります。
- その順位は、どの言葉の順位ですか
ページの平均ではなく、狙っている言葉ごとの順位と表示回数を出してもらう - 記事の制作は含まれていますか
見出しやタイトルの整備だけの契約なら、記事は自社で作る必要があります。金額でおおよそ決まります - 何をもって成果としますか
「順位が上がった」と「問い合わせが増えた」は別の話です。契約前に合わせておかないと、順位は上がったのに成果がないという状態になります
1つ目に答えられない場合は、その時点で一度立ち止まったほうがいいです。
言葉ごとの順位は、Search Consoleを開けば誰でも出せる数字だからです。
なお、見出しやメタディスクリプションの整備だけで毎月請求されていた実例や、そもそも避けたほうがいい業者の見分け方は、こちらにまとめています。
見る数字を「平均」から「言葉」と「集中」に変える

では何を見ればいいのか。
2つです。
1. 言葉ごとに見る
サイト全体やページ全体の平均は、状況を判断する用途には向きません。
狙っている言葉を決めて、その言葉の表示回数と順位を見ます。
平均順位そのものが悪い数字なのではなく、まとめる範囲が広すぎると使えなくなるということです。
言葉ごとに絞れば、順位は信頼できます。
2. 平均ではなく、集中を見る
平均は、偏りを隠します。
このサイトの2026年8月25日時点の数字を出すと、過去3ヶ月のクリックは202回。
そのうち157回(78%)が、たった2つの言葉から来ています。
記事にすると2本です。
80本以上公開していて、です。
逆に言えば、1ページ目に立てばクリックは来ます。
立てていない記事が多いだけです。
この集中は、前に運営していたメディアで痛い目を見た形でもあります。
アクセスの36.5%が上位10記事に集中していて、しかもその10本が全部同じ弱点を持っていたため、1回のアップデートでまとめて飛びました。
詳しくは『月31万PVのメディアが飛んだ話|信頼性の時代に中小企業がブログで上位を取る条件』に書いています。
毎月どこを見ればいいかは『Search Consoleで毎月チェックすべき3つのこと|クリック率6.7%→18.4%に改善した手順』にまとめています。
まとめ
- 平均順位は、表示されたすべての言葉の平均。狙っている言葉の順位ではない
- 表示回数が少ない言葉は一覧に出ないため、平均だけが良く見えることがある
- 「上がらない」の多くは、上がらないのではなく表示が立っていない状態
- 立っていない記事は、何度書き直しても順位は動かない
- 確認するのは「どの言葉の順位か」「記事制作は含まれるか」「何を成果とするか」の3つ
- 見るのは平均ではなく、言葉ごとの数字と、どこに集中しているか
「順位が上がらない」と言われて困っているのは、依頼している側だけではありません。
数字の見方が合っていないと、請けている側も何を直せばいいのか分からないまま作業を続けることになります。
いま依頼している内容が適切なのか、そもそも順位の問題なのか表示の問題なのか。
Search Consoleの画面を一緒に見れば、たいていはその場で判断がつきます。
「この数字をどう読めばいいのか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。