
アクセスは1日200程度なのに、なぜ月96件も申し込みが来るのか|GA4の実データを全部見せます

「うちのサイト、アクセスが少なくて…」
中小企業の経営者やWeb担当者と話していると、必ずと言っていいほどこの言葉が出てきます。
何万PVもないと意味がない、まずアクセスを増やさないと⋯。
そう思い込んでいる方は本当に多いです。
正直に言うと、僕自身もそう思っていました。
最近ウェブ解析士としていくつかのサイトのGA4を細かく見るようになって、逆に「アクセスってこんなに少なくても成り立つんだ」と気づかされたんです。
そのきっかけになったのが、僕が実際に運用している、ある買取系のサイトのデータでした。
このサイト、1日のセッションは200程度。
月にならすと約6,000セッションです。決して派手なアクセスではありません。
でも、月96件の申し込みが来ています。
この記事では、そのGA4の実データを全部お見せしながら、「なぜ少ないアクセスで申し込みが来るのか」を分解します。
アクセス数に一喜一憂する前に見るべきものが何なのか、自分のサイトで確認できるようになるはずです。
目次
前提:まったくアクセスが無いなら、まずは「測れる量」まで増やす

先に、大事な線引きをしておきます。
この記事で「アクセスの量より受け皿を見ろ」と言うのは、ある程度アクセスがあるサイトの話です。
というのも、CV率も導線も、ある程度のアクセスがあって初めて意味のある数字になるからです。
月に数十セッションしかない状態では、申し込みが1件入るかどうかで数字が大きくブレて、判断のしようがありません。
だから、もし今「アクセスがほぼゼロ」という段階なら、順番はこうです。
まずはデータが判断できる量まではアクセスを増やす。
それから受け皿を見る。
「じゃあ、どれくらいのアクセスがあれば普通なの?」
「そもそもどうやって増やすの?」
ここが気になる方は、先に別の記事『自社ホームページのアクセス数は多い?少ない?現実的な目安と増やし方』を読んでください。
今の自分のサイトが「増やすフェーズ」なのか「受け皿を見るフェーズ」なのかが、はっきりします。
そのうえで、ある程度アクセスが出てきたら⋯
そこからは、増やし続けることより先に見るべきものがあります。
それが、この先の本題です。
まず、実際の数字を全部出します

ごまかしても仕方ないので、2026年6月のGA4データをそのまま出します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 月間セッション | 6,122(1日あたり約200) |
| フォーム申込み | 96件 |
| フォーム申込率 | 約1.57%(96 ÷ 6,122) |
「1日200セッション」というのは、Web業界の感覚で言えば、決して多くありません。
個人ブログでももっとアクセスのあるサイトはいくらでもあります。
それでも、この6,122セッションから96件の申し込みが生まれている。ここがこの記事で一番伝えたいポイントです。
アクセスの「量」だけを見ていると、このサイトは「もっと増やさなきゃ」という評価になります。
でも実際には、しっかり申し込みが取れている。
量を見ているだけでは、このサイトの本当の実力は見えません。
理由①:申込率(CV率)は決して低くない

なぜ少ないアクセスで96件も来るのか。
1つ目の理由は、申込率がしっかり出ていることです。
このサイトのフォーム申込率は約1.57%。
100セッションのうち1〜2件が、フォームからの申し込みにつながっている計算です。
「1.57%?意外と低いのでは」と思うかもしれません。
でも、ここで大事なのは率そのものの派手さではなく、それが毎月安定して積み上がっていることです。
6,122セッションに1.57%をかければ、月96件。
加えて、この数字にはLINEや電話での問い合わせは含まれていません。
フォーム以外の反応まで入れれば、実際に動いている問い合わせはもっと多いということになります。
そして、この率は下げないことが何より重要です。
仮に申込率が半分に落ちれば、同じ件数を取るのにアクセスは倍必要になります。
逆に言えば、申込率さえ保てていれば、アクセスが少なくても件数はついてくる。
「アクセスを増やさなきゃ」と焦る前に、まず「今来ている人が、どれくらい申し込みに至っているか」を見る。
これだけで、やるべきことが変わります。
理由②:来ている人の「質」が高い(アクセスを買っているわけではない)

2つ目の理由は、流入の中身です。
ここが一番大事なところかもしれません。
「どうせ広告でしょ」を実データで見る
「申し込みが取れているサイト」と聞くと、「どうせ広告にお金をかけてるんでしょ」と思う方もいます。
でも、このサイトの実データはこうです。
| 流入元 | セッション | 申し込み |
|---|---|---|
| 自然検索(Organic Search) | 2,687(44%) | 43件 |
| Direct(直接・リピート等) | 1,229(20%) | 28件 |
| 紹介(Referral) | 817(13%) | 2件 |
| 広告(P-MAX+検索広告) | 1,000(16%) | 19件 |
| SNS・その他 | 389 | 4件 |
| 合計 | 6,122 | 96件 |
※広告費は月に3万円程度使用しています。
申し込みの8割は、広告以外から来ている
注目してほしいのは、広告経由は全体の16%、申し込みで見ても19件だけという点です。
残りの77件は、広告以外⋯つまり自然検索やDirectから来ています。
このサイトは、お金でアクセスを買って回しているわけではないんです。
一番多いのは自然検索で、そこから43件(全体の45%)の申し込みが生まれている。
なぜ自然検索は「質」が高いのか
なぜ自然検索が強いか。
答えはシンプルで、「買取してほしい人」が検索して来ているからです。
買取価格を調べに来た人、査定を検討している人⋯。
最初から目的がはっきりした人が来るので、当然、申し込みにつながりやすい。
これが「アクセスの質」です。
同じ1セッションでも、たまたま通りすがった人と、今まさに売りたくて調べている人とでは、価値がまったく違う。
アクセスの数を増やすことより、申し込みに近い人がちゃんと来ているかの方が、売上には効きます。
「増やす」提案の前に、受け皿を見る
そして、ここは正直に書いておきたいところです。
Web広告やSEOを「代行」する立場の会社は、基本的に「アクセスを増やしましょう」と提案します。
それが仕事だからです。
でも、実際のデータを見ると、増やす前にやるべきことがあるケースは本当に多い。
アクセスを増やす前に、今の受け皿を見る。
この順番を、まず持ってほしいと思っています。
じゃあ、自分のサイトで何を見ればいいのか

ここまで読んで、「うちのサイトはどうなんだろう」と思った方へ。
難しい分析は要りません。
GA4で、次の3つをセットで見てください。
1. セッション数だけを見ない。
「アクセスが多い・少ない」で一喜一憂しないこと。
数の大小そのものには、あまり意味がありません。
2. CV率(申込率)を見る。
申し込みやお問い合わせをキーイベントに設定していれば、「セッションあたりのキーイベント率」が出ます。
ここが低ければ、アクセスを増やしても申し込みは増えません。
先に直すべきは受け皿の方です。
3. チャネル(流入元)ごとに分けて見る。
全体をひとまとめで見ず、「自然検索」「広告」「Direct」に分けて、それぞれのCV率を見る。
どの入口から来た人が申し込んでいるのか。
ここが分かると、伸ばすべき入口と、放っておいていい入口が見えてきます。
この3つを見るだけで、「アクセスを増やす」以外の打ち手が見えてきます。
GA4の具体的な操作は別の記事『ホームページのアクセス解析は何を見る?』で解説しているので、そちらも参考にしてください。
大事なのは、セッション数・CV率・チャネルを1つの画面で並べて考えること。
数だけ、率だけ、を単独で見ても判断はできません。
そのうえで、最初に直すのは「導線」
3つを見て「CV率が低い」と分かったら、次にやることは決まっています。
アクセスが多いページから、目的のページ(申し込み・問い合わせ)へちゃんと誘導できているかを確認すること。
ここが、一番最初に手をつけるべき場所です。
よくあるのが、「よく読まれている記事はあるのに、そこから申し込みページへの導線がない」というケースです。
人は来ている。
読まれてもいる。
でも、次にどこへ行けばいいのか分からないまま帰ってしまう。
これは、アクセスの問題ではなく導線の問題です。
GA4で「よく見られているページ」と「そのページから申し込みにつながっているか」を突き合わせてみてください。
アクセスが多いのに申し込みにつながっていないページがあれば、そこが最優先の改善ポイントです。
実際に、申し込みボタンの配置を変えただけでCVRが3倍になったこともあります。
ボタンの配置を変える、申し込みページへのリンクを本文中に置く⋯。
それだけで数字が動くことは珍しくありません。
アクセスを増やすより先に、今あるアクセスを取りこぼしていないか。
まずはここからです。
まとめ:アクセスを増やす前に、順番を間違えないこと
もう一度、伝えたいことを整理します。
- 1日200セッションのサイトでも、月96件の申し込みは取れる
- 理由は、①申込率がしっかり出ている(少ないアクセスでも件数が積み上がる)②来ている人の質が高い(広告で買ったアクセスではない)
- だから、アクセスの「量」を増やす前に、まず「CV率」と「流入の質」を見る
誤解しないでほしいのは、「アクセスを増やすな」と言っているわけではないということです。
増やすこと自体は正しい。
ただ、順番の問題です。
受け皿がザルのままアクセスだけ増やしても、水は漏れ続けます。
先に受け皿を直せば、同じアクセスでも成果は変わるし、その状態でアクセスを増やせば効果は何倍にもなります。
多くのサイトは、この順番が逆になっています。
もし今、「アクセスが少ないからうちはダメだ」と感じているなら、一度GA4を開いて、セッション数だけでなくCV率と流入元を見てみてください。
案外、「増やす」より先にやることが見つかるはずです。
そして、「自分のサイトのどこに手を入れればCV率が上がるのか分からない」「GA4を見てはみたけど、何を直せばいいか判断がつかない」⋯。
もしそう感じたら、それは専門家に一度見てもらう価値のあるところです。
SALUTAMでは、実際のGA4データをもとに「アクセスを増やす前にやるべきこと」から一緒に整理します。
よければお気軽にご相談ください。