ホームページの保守費用は金額では判断できない|請ける側が月8,000〜10,000円の中身を全部公開します

その保守費、先月なにをしてもらいましたか。金額では判断できない。見るのは中身。
  • URLをコピーしました!

正直に打ち明けると、私も自分の請求額に不安になることがあります。

「この金額、取りすぎじゃないだろうか」と。

私は中小企業7社のホームページ運用を代行していて、保守費として月8,000円〜10,000円をいただいています。

作業が少ない月もあります。

そういう月は、いただいている金額に見合っているのか、自分でも考えます。

一方で、払っている側はもっと分かりません。

「毎月1万円引き落とされているけれど、何をしてもらっているんだろう」

「相場を調べたら5,000円から2万円と書いてあった。うちは高いのか安いのか」

払う側も、請ける側も、金額しか見ていないから、どちらも判断できないままになっています。

この記事では、私が実際にいただいている月8,000円〜10,000円の中身を、全部そのまま書きます。

そのうえで、あなたが払っている保守費に仕事が含まれているかを、業者に聞く前に自分で確認する方法をお伝えします。

目次

相場表を見ても、あなたの保守費が適正かは分からない

「相場は月5,000円〜2万円」と言われても比較にならない

ホームページの保守費・管理費の相場を調べると、だいたい月5,000円〜2万円という数字が出てきます。

私自身も以前『制作会社のサーバーに入れてもらったら表示が遅くなった話』で、WordPressの更新や保守作業込みなら月額8,000円〜2万円程度が相場で、作業が含まれているなら適正な費用だと書きました。

数字としては参考になります。

ただ、この数字だけで自社が高いか安いかを判断することはできません。

理由はシンプルで、同じ「保守費1万円」でも、中に入っている作業がまったく違うからです。

そもそも「保守費」「管理費」「運用費」という言葉自体、業界で厳密に定義されているわけではありません。

どこまでを保守と呼ぶかは会社ごとにバラバラです。

だから相場表と自社の請求書を並べても、実は同じものを比べていません。

判断材料は金額ではなく「先月、何がされたか」

同じ月1万円でも、こういう違いがあります。

  • 毎月WordPressが更新され、何かあれば連絡すれば直してもらえる1万円
  • サーバーに置いてあるだけで、この1年、誰も何も触っていない1万円

金額はまったく同じです。

前者は安いくらいですし、後者は1円でも高いかもしれません。

つまり、判断するために見るべきなのは相場表ではなく、先月そのお金で何がされたかです。

そしてこれは、業者に聞かなくても、ある程度は自分で確認できます。

その方法は記事の後半でお伝えします。

まずは比較する物差しとして、私がいただいている金額の中身をお見せします。

私がいただいている月8,000〜10,000円の中身

包み隠さず書きます。

以下の4つです。

1. WordPressの更新

ホームページの多くはWordPressという仕組みで作られています。

このWordPress本体と、機能を追加する「プラグイン」は、定期的に新しいバージョンが出ます。

古いまま放置すると、外部からの攻撃を受ける入り口になります。

これを最新の状態に保つ作業です。

2. 更新した後のエラーチェック

実は、こちらが本体です。

WordPressの更新自体は、管理画面のボタンを押すだけです。

問題は、押した後に起きます。

更新した結果、レイアウトが崩れる、問い合わせフォームが送信できなくなる、特定のページだけ真っ白になる。

こういうことが実際に起こります。

しかも、自社のホームページを毎日見ている経営者はほとんどいません。

だから壊れても気づかず、何ヶ月も問い合わせフォームが動いていなかった、ということが起こり得ます。

更新したら、実際にページを開いて、フォームを送信して、動いていることを確認する。

ボタンを押すことではなく、この確認作業に時間がかかっています。

3. サーバーの管理

ホームページを置いておく場所がサーバーです。

サーバーにも、WordPressを動かすための土台となるプログラム(PHPといいます)が入っていて、これも古いバージョンはいずれ使えなくなります。

期限が来る前に新しいものに切り替える。

これも放置していると、ある日突然サイトが表示されなくなる原因になります。

サーバー代そのものは、一般的なレンタルサーバーなら月1,000円程度です。

いただいている金額の大半は、この実費ではなく、上の1と2の作業に対するものです。

4. 軽微な更新(依頼があったとき)

テキストの修正、画像の差し替え、営業時間や料金など情報の更新です。

こちらは依頼があったときだけ発生します。

やっていないこと

含まれていない作業もはっきり書きます。

  • 新しいページを作る
  • デザインを変更する
  • アクセスを増やすための改善提案
  • 記事の制作
  • 広告の運用

これらは保守費とは別にいただいています。

依頼が来ない月は、ほとんど何も動きません

ここも正直に書きます。

更新の依頼が来ない月は、1と2と3しか発生しません。

作業時間で言えば、数十分で終わる月もあります。

それでも金額は同じです。

この構造をどう見るかは、払う側の判断だと思っています。

「何かあったときに連絡できる先があること」に対する保険料と考えれば妥当ですし、「使わない保険は要らない」という判断もあり得ます。

大事なのは、そこを説明されないまま払い続けないことです。

私の運用も、形だけ見れば同じに見えます

ここは書きにくいのですが、書きます。

私は7社のホームページを、自分名義で契約したサーバーに置いています。

そして各社から月額をいただいています。

以前『制作会社のサーバーに入れてもらったら表示が遅くなった話』で、私は制作会社がサーバーを握っている状態の問題を書きました。

あの記事で挙げた問題のひとつが、費用です。

1つのサーバーに複数社をまとめて入れながら、保守作業もないのに「サーバー費用」として実費の数倍を各社から取っている、という構造でした。

私自身も、形だけ見れば同じことをしています。

7社を1台に置いて、各社から月額をいただいているからです。

なので、どこが違うのかを自分で説明します。

違いは3つ

1.作業が入っていること

私が問題だと書いたのは「1台にまとめて置いているだけで、何の作業もないのに各社から高額を取っている」ケースです。

置き場所を共有すること自体は、コストを下げる合理的なやり方です。

問題になるのは、作業がないのにお金だけ発生している状態です。

補足:複数社が同居していること自体は問題ではありません

念のため書いておきます。あの記事でサイトが落ちた原因は、複数社が同居していたことではありません。

制作会社が用意した独自サーバーのスペックが低く、同時アクセスが100を超えると表示できなくなる状態だったことが原因です。

実績のある大手のレンタルサーバーであれば、複数のサイトが入っていても、通常この問題は起きません。

つまり気にすべきは「誰と同居しているか」ではなく、どのサーバーに置かれているかです。

2.何にお金が発生しているか説明できること

上に書いた4項目が、私がいただいている金額の全部です。

聞かれれば同じことを答えますし、この記事に書いている以上、聞かれる前に開示していることになります。

請求書に「サーバー費用」とだけ書かれていて中身が分からない、という状態にはしていません。

3.抜けられる状態にしてあること

情報を聞かれれば出しますし、「他の会社に移りたい」と言われれば移せるようにデータを渡します。

囲い込むための構造にはしていません。

では、なぜクライアント名義で契約しないのか

一般論として「サーバーとドメインは自社名義で契約すべき」というのは、多くの記事に書かれています。

私もその考え方には賛成です。

ただ、現場では別のことが起きます。

「サーバーを契約してください」「ドメインを取得してください」とお伝えしても、多くの中小企業は動けません。

悪意でも怠慢でもなく、単純に何をどうすればいいのか分からないからです。

サーバー会社を選び、プランを決め、クレジットカードを登録し、ドメインを取り、サーバーと紐づける。

Webに関わっている人間には当たり前でも、本業が別にある方にとっては未知の作業です。

そこで止まってしまい、ホームページの話全体が前に進まなくなる。

だから私が代わりに契約しています。

一方で、社内に分かる方がいる会社には、自分で契約していただいています。

そのほうが本来は健全だからです。

つまり「囲い込むため」ではなく、「動けないから代わりに持っている」という状態です。

名義そのものより大事なこと

ここが、あなたの会社にとっての結論になります。

サーバーやドメインが制作会社の名義になっていること自体は、必ずしも問題ではありません。

信頼できる相手に任せているなら、それで構いません。

問題になるのは、聞いても情報を教えてもらえず、他社に移ろうとしても動けない状態に置かれていることです。

判断の基準は、名義が誰かではなく、いつでも動ける状態にあるかどうかです。

この点については『制作会社のサーバーに入れてもらったら表示が遅くなった話』に、実際にサーバーが原因でチャンスを丸ごと逃した事例と、移転の手順まで書いています。

払った分の仕事がされているか、今日自分で確認する3つ

ここからが本題です。

業者に問い合わせる前に、自分で確認できることが3つあります。

どれも今日、数分でできます。

1. WordPressのバージョンが最新になっているか

ホームページの管理画面にログインすると、更新が必要な項目には数字のマークが表示されます。

赤いマークが何個もついたまま、というのが典型的な状態です。

WordPressの更新費や保守費を払っているのに、この状態が何ヶ月も続いているなら、その項目の作業は行われていません。

なお、そもそも管理画面のログイン情報を持っていない、という場合。

それ自体が確認すべきポイントです。

自社のホームページなので、情報は持っていて当然のものです。

アップデートすることでエラーが出る場合など、状況によってはあえて更新していない項目もあります。

2. この1年、何を依頼して、何が実行されたかを数える

メールを遡ってください。

  • 修正や更新を依頼したのは何回か
  • そのうち、実際に対応されたのは何回か
  • こちらから何も言わなくても、業者から連絡が来たことはあるか

依頼が年に数回あって、その都度対応されているなら、月額を払う意味はあります。

依頼がゼロ回、業者からの連絡もゼロ回、という場合、あなたが払っているのは作業料ではなく保険料です。

保険料として妥当かどうかは、次の項目で判断します。

3. 3つのことを聞いてみる

以下を業者に聞いてみてください。

  • どのサーバー会社を使っているか
  • ドメインの管理先はどこか
  • 依頼先を変えたくなったとき、移せるか

答えが返ってくれば、それで問題ありません。

大事なのはこの3つを知ることそのものより、聞けば教えてもらえる関係かどうかを確かめることです。

答えをはぐらかされる、移管を渋られる。

そういう反応が返ってきた場合は、金額の問題ではなく、関係そのものを見直す段階に来ています。

確認した結果で、やることが決まる

3つを確認すると、だいたい次のどれかに当てはまります。

A. 作業がされている

WordPressは最新で、依頼すれば対応してもらえて、聞けば情報も出てくる。

この状態なら、月1万円前後は適正です。

相場表と比べる必要はありません。

安心して続けてください。

B. されていない項目がある

払っているのに、WordPressが古いまま。

この場合、いきなり解約を考える必要はありません。

まず聞いてください。

「先月はどんな作業をしていただきましたか」

この一言で十分です。

契約内容の確認は、こちらの当然の権利です。

聞かれて誠実に答える会社なら、それをきっかけに動き出すこともあります。

C. そもそも何も依頼していないし、作業も発生していない

減らすか、自分でやるか、保険として続けるか。

ここはホームページに何を求めているかで決まります。

会社の名刺代わりで十分なら、保守を手厚くする理由はありません。

申込みを増やしたいなら、保守費を削るより、そのお金を改善に回したほうが効きます。

この考え方は『ホームページの更新はどれくらいやればいい?』で、目的別に整理しています。

「毎月お任せの保守契約」か「全部自分でやる」かの二択ではなく、その中間があります。

減らす前に、1つだけ確認してください

保守契約をやめる判断をする場合、先に確認すべきことがあります。

サーバーが業者名義で、その支払いが保守費に含まれている場合、契約をやめた瞬間にホームページが表示されなくなることがあります。

解約を伝える前に、上の「3つを聞いてみる」を必ず通してください。

なお、契約や請求の中身がそもそも不明瞭で、明らかに作業に見合わない金額を請求されているケースもあります。

見分け方は『悪質なSEO業者の見分け方6つ』に、タグの設定だけで毎月請求されていた実例をまとめています。

まとめ

ホームページの保守費は、金額だけでは適正かどうか判断できません。

相場表を見ても、中に入っている作業が会社ごとに違うので、比較になっていないからです。

見るべきなのは金額ではなく、そのお金で先月何がされたかです。

そしてそれは、業者に問い合わせる前に、自分で確認できます。

  • WordPressのバージョンが最新か
  • この1年、依頼と対応が何回あったか
  • 聞けば、サーバーとドメインの情報を教えてもらえるか

作業がされているなら、その金額は妥当です。

されていないなら、まず聞いてください。

そもそも何も発生していないなら、それを続けるかどうかは、あなたがホームページに何を求めているかで決めてください。


私が自分の請求内容をここまで書いたのは、比べる物差しがないと、払っている側も請けている側も金額の話しかできなくなるからです。

「いま払っている金額が妥当なのか分からない」

「業者に聞きたいけれど、何を聞けばいいのか分からない」

「そもそも自分のホームページがどうなっているのか把握できていない」

こうした状態のまま、毎月なんとなく支払いを続けている中小企業の方は少なくありません。

現状を一度整理したいと感じたら、SALUTAMの問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

7社の運用を請けている側の視点で、あなたが払っている費用に何が含まれているのか、その金額で何をしてもらうべきなのかを一緒に整理します。

  • URLをコピーしました!
目次