スタッフにブログを書いてもらうのは難しい|スタッフに渡していい仕事と、渡してはいけない仕事

続かないのは、やる気の問題じゃない。
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スタッフにブログを書いてもらうのは、想像以上に難しいです。

書いてくれない、続かない、日記になる、炎上しそうな内容を書く⋯。

私は小売店のWeb担当として、店舗スタッフにブログの書き方を教えていた時期があります。

そのときに分かったのは、続かない原因はスタッフのやる気でも、仕組みの有無でもないということでした。

1本のブログに、性質のまったく違う2つの仕事をさせているのが原因です。

この記事では、スタッフに渡していい仕事と渡してはいけない仕事を先に分けたうえで、書き方のルール7つと、やってはいけない4つを解説します。

目次

スタッフブログには、2つの仕事が混ざっている

スタッフがブログを書いている様子

「ブログを書く」と一言で言っていますが、中身は2つに分かれます。

  1. 検索から、まだ会社を知らない人を連れてくる仕事
  2. すでにホームページに来た人に、自社のことを伝える仕事

この2つは、必要な準備も、結果の出方もまったく違います。

1つ目は、どんな言葉で検索されるかを調べて、その言葉で探している人が納得する内容を組み立てる仕事です。

結果が出るまで数ヶ月かかります。

2つ目は、現場で起きていることをそのまま書く仕事です。

調べる工程がないので、その日のうちに書けます。

「ブログを書いてほしい」とだけ伝えると、スタッフはこの2つを区別しないまま受け取ります。

そして、本業の合間に、検索で勝つための調べものまで抱えることになります。

止まって当然です。

そもそも社内の誰が何を持つべきかから整理したい場合は、『「若いからWeb担当者やって」と言われた人へ|9個の仕事のうち、自分で持つべきものはどれか』で、Web担当の仕事を手放していいものと手放してはいけないものに分けています。

スタッフに渡していいのは「来た人に伝える仕事」だけ

ユーザーがホームページを見ているイメージ

結論から言うと、スタッフに渡すのは2つ目だけにしてください。

理由は、そこにしかスタッフの武器がないからです。

毎日ブログを書いているWebライターに、片手間で書いた記事で検索順位を競うのは無理があります。

でも、自社製品の実際の使い方、現場のスタッフから見たサービスの良し悪し、今日のセールの中身。

これは外部のライターには書けません。

記事制作を請けている立場から、正直に書きます

私は記事制作を仕事として請けています。

そのうえで書きますが、この2つ目の仕事は、うちに出しても意味がありません

外部の人間は、その日の店頭で何が起きたかを知りません。

取材して書くこともできますが、それなら現場の人が5分で書いたほうが早く、内容も濃くなります。

請求だけが増えて、中身は薄くなります。

逆に、1つ目の検索を狙う記事は、設計さえ渡してもらえれば外に出す価値があります。

ただし「このキーワードで書いてください」だけの依頼だと、どこにでもある一般論が返ってきます。

外注の線引きについては『企業ブログを外注しても成果が出ない会社に共通する4つの原因』で詳しく書いています。

「更新頻度のために書かせる」と壊れる

スタッフがブログを書いているイメージ

ここが一番よくある間違いです。

「サイトは定期的に更新したほうがいい」と聞いて、その更新回数を稼ぐためにスタッフブログを使うパターンです。

定期更新が効くこと自体は本当です。

私が運用しているガンプラ買取サイトでは、買取価格のページを毎週更新していて、検索からの流入が伸びています。

ただし、効いたのは「すでにあるページの中身を最新にする更新」です。

買取価格は、市場によって変わる情報です。

探している人が「今の価格」を知りたがっているから、最新にしておくことに意味があります。

この場合、ページの数は増えていません。

詳しくは『「定期更新が大事」は本当か』で書いています。

ページを増やす更新は、同じようには効かない

一方、日記のようなブログを毎日足していく更新は、ページだけが増えていきます。

そこには「最新の情報を知りたい」と思って探している人がいません。

むしろ、成果に繋がらないページが増えると、あとから困ることがあります。

あるクライアントでは、成果に繋がっていない記事を半分以下に減らしたところ、アクセスは半分に落ちましたが、申し込みは減りませんでした。

消えたアクセスは、もともと1件も申し込みを生んでいなかったということです。

詳しくは『記事を半分消してアクセスが半減しても申し込みは1件も減らなかった』で書いています。

更新回数を目標にすると、この「あとで消すことになる記事」を、スタッフの時間を使って作ることになります。

スタッフに渡す前に決めておく7つのこと

スタッフブログの書き方のポイント

仕事を1つに絞ったうえで、渡す前に決めておくことが7つあります。

1. 書く日を曜日で決める

「ブログを書いてほしい」と頼むだけでは続きません。

「火曜日と金曜日が書く日」のように曜日で決めて、責任者が毎週確認する形にしてください。

「週に2本」よりも「火曜と金曜」のほうが習慣になります。

2. 自社にしか書けない情報だけを書く

一般的な情報は書かせないでください。

調べれば書けることは、調べるのが仕事の人が書いたほうが濃くなります。

自社製品の上手な使い方、スタッフから見たサービスの良し悪し、現場で実際に起きた話。

これだけで十分です。

3. 訪れた人が得をする情報を出す

セール情報、期間限定のキャンペーン、Web限定の企画。

「ここを見ておかないと損をする」と思ってもらえれば、また見に来てもらえます。

4. 具体的に書く

曖昧な情報は伝わりません。

片手間で書くと具体性が抜けやすいので、「もっと具体的に」と指摘できる人を決めておいてください。

改善前

「今週末はリフォーム相談会を開催します!ぜひご参加ください」

改善後

「今週末(11/23・24)にリフォーム相談会を開催します。キッチン・浴室・外壁のリフォームについて、担当スタッフが個別にご相談をお受けします。1組30分、予約制で先着10組限定です。費用の目安や施工事例もその場でご覧いただけます」

5. タイトルは中身が一発でわかるように書く

読む人はタイトルを見て、読むかどうかを決めます。

中身が伝わらないタイトルは、どれだけ良い内容でも読まれません。

下は、雪の日にタイヤチェーンを付ける手順を紹介した記事のタイトルです。

改善前

「今日は雪がいっぱい降りましたね!」

改善後

「初心者でも5分でできるタイヤチェーンの付け方|雪が降ってから慌てないために」

6. 良いところだけを書かせない

良いことだけが並んでいると、逆に信用されません。

良いところ、向いていないところ、どんな人に合うかを並べて書くほうが、読んだ人は安心します。

良いところ

自宅から発送するだけで査定が終わるので、店舗に持ち込む手間がない

向いていないところ

査定結果が出るまで3〜5日かかるため、すぐに現金化したい場合には向かない

こんな人に合う

まとめて処分したいが重くて運べない、近くに買取店がない、という方

なお、他社のサービスを紹介するかどうかは、スタッフが判断できることではありません。

私も過去に、他社を紹介する書き方を提案してNGを出されたことがあります。

書く場合は、必ず責任者の確認を通す形にしてください。

7. テンプレートを渡す

7つの中で、実際に一番効果があったのがこれです。

2023年、小売店のWeb担当をしていたときに使っていたものを載せます。

スタッフブログのテンプレート例。ブログタイトル、商品やサービスをイメージできる画像、商品・サービス説明、感想、この商品・サービスがオススメの人の順に並んでいる

見出しの順番を先に決めておくだけです。

書き手は3人いました。

3人とも、もともと書いてはいました。

書けなかったわけではなく、何をどの順番で書くかが決まっていないせいで、1本に時間がかかっていたのが問題でした。

本業を抱えたまま、ブログだけが重い仕事になっていた状態です。

テンプレートを渡してからは、3人合計で週2〜3本だったものが、週5本になりました。

ただし、狙ったのは本数ではありません

1本あたりで見れば、1人が週1本を少し超える程度です。

迷っている時間を消したら、結果として本数がついてきただけで、本数そのものを目標にすると、次に挙げるNGパターンに直行します。

この小売店では、ブログのほかにも、更新を当日中に反映する体制づくりや、古い情報の修正を同じ時期に進めていました。

どれが何に効いたのかは切り分けられていません。半年で何が変わり、何が分からないままなのかは『情報を最新にしたら問い合わせが5倍になった。でも増えたのは率ではなく訪問数だった』にまとめています。

時間を用意しないと、7つとも実行されない

業務時間の中にブログを書く時間を確保するイメージ

ここまでの7つは、書く時間があることが前提です。

日常業務の合間に無理やり押し込むと、片手間でしか書けません。

ブログを書く時間を、業務として確保してください。

そして、目標を件数で置かないでください。

「月に20本」と決めた瞬間に、数を埋めるためのブログが始まります。

置くとすれば、「今月は新商品の使い方を全部書き切る」のように、読んだ人が何を分かる状態になるかで決めるほうが機能します。

スタッフブログでやってはいけない4つのこと

スタッフブログのNGパターン

1. 日記だけを書く

「今日のランチは〇〇でした」「昨日の夜は疲れました」⋯。

スタッフに任せると、日記になることが多いです。

本人にファンがついているなら別ですが、そうでなければまず読まれません。

ただし、商品やサービスの紹介をきちんとした上で、後半に日記的な内容を添える分には問題ありません。

人柄が伝わることで信頼につながることもあります。

2. 政治・宗教の話を書く

スタッフとして書くブログは、会社の発言になります。

誤解を生むリスクが高いので、書かせないでください。

3. 他社を悪く書く

本人にその気がなくても、結果的に他社を下げている内容になっていることがあります。

公開前に必ず確認してください。

4. 数を埋めるためのブログを出す

「今日はセールやっています。ご来店お待ちしています」のような、1〜2行で終わるブログです。

原因のほとんどは、スタッフではなく指示の出し方にあります。

「1日4本書け」と言われれば、埋めるしかありません。

先に書いたとおり、これは更新回数を目標にした時点で確定します。

公開前のチェックは、運任せにしない

2023年ごろ、差別的な内容を書いたスタッフがいました。

公開前に気づいて修正しましたが、正直に書くと、チェックの仕組みがあったから止められたのではありません

たまたま私が先に読んだだけです。

あのとき誰も読んでいなければ、そのまま公開されていました。

だから、公開前に誰が読むかを先に決めておいてください。

差別的な表現、特定の人や組織へのネガティブな発言、一方的な感想になっていないか。

この3点だけでも、担当を決めて毎回通せば運任せではなくなります。

検索から人を集めたいなら、それは別の仕事

検索から人を集める記事とスタッフブログの違い

ここまで書いてきたのは、2つ目の仕事の話です。

では1つ目、検索から人を連れてくる仕事はどうするか。

やめる必要はありません。

ただし、スタッフブログの延長でやろうとしないでください。

何を書くかを決めるところから始まる、別の仕事として立ててください。

何を書くかの決め方は『売上に繋がる中小企業ブログのネタ選び|共通する3つの誤解』で書いています。

また、自社サービスから少し離れたテーマでも集客できることがありますが、離れすぎると訪れる人が増えるだけで終わります。

その線引きは『サービスに関係ない記事が一番集客できた話』で書いています。

まとめ

スタッフブログが続かない原因は、1本に2つの仕事を混ぜていることです。

スタッフに渡すのは「すでに来た人に伝える仕事」だけにしてください。

そのうえで決めておくことが7つあります。

  1. 書く日を曜日で決める
  2. 自社にしか書けない情報だけを書く
  3. 訪れた人が得をする情報を出す
  4. 具体的に書く
  5. タイトルは中身が一発でわかるように書く
  6. 良いところだけを書かせない
  7. テンプレートを渡す

そして、やってはいけないのが4つ。日記だけを書く、政治・宗教の話を書く、他社を悪く書く、数を埋めるためのブログを出す。

最後に1つだけ、確認してみてください。

今スタッフに書いてもらっているブログは、2つのうちどちらの仕事ですか。

もし「検索から人を集めてほしい」と思って書かせているなら、止まっている原因はそこにあります。


「スタッフにブログを書いてもらいたいけど続かない」「どこまでスタッフに任せて、どこから外に出すか分からない」という場合は、一度SALUTAMにお問い合わせください。

仕事の切り分けから、テンプレートの作成まで一緒に整えます。

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