Web担当者は採用と外注どっち?|両方失敗した会社に入って分かった「作業者では申込みは増えない」理由

作業者では、申込みは増えない。
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「自社にWeb担当者がいない。採用すべきか、外注すべきか」

中小企業の経営者から、よくいただく相談です。

求人を出して社員を雇うべきか、それとも制作会社やフリーランスに外注すべきか。

どちらがコスパよく成果が出るのか⋯。

先に結論を言います。

この「採用か外注か」という二択自体が、論点としてズレています。

社員として雇っても、外注に出しても、置いたのが作業者である限り、ホームページの申込みは増えません。

逆に言えば、申込みを増やせるかどうかは、雇用形態(社員か外注か)ではなく、その人が「作業者」なのか「目的を持ってサイトを運用する人」なのかで決まります。

これは机上の理屈ではありません。

私自身が雇われWeb担当者として、外注も社員採用も両方失敗していた会社に入り、その尻拭いをした実体験から書いています。

目次

採用も外注も失敗していた、私が入った現場

まず、私が入る前にその会社で何が起きていたかを話します。

そのサイトの目的は「申込みを増やすこと」。

掲載のスピードが命のサイトで、新しい情報をいかに早く出せるかが成果を左右する性質のものでした。

最初は外注だった——でも、更新が遅すぎた

最初、その会社はWeb制作と更新を外注していました。

ところが問題が起きます。

更新を依頼してから実際に掲載されるまでが遅い。

スピードが命のサイトでこれは致命的でした。

次に社員を採用——でも「作業」しか出てこなかった

そこで会社は「これはまずい」と判断し、社内にWeb担当者を採用します。

外注先の管理と、自社のWeb担当者。

この2軸で運用していくことにしました。

ここまでは、まっとうな判断に見えます。

でも、うまくいきませんでした。

採用した前任のWeb担当者は、言われた作業はやってくれる。

でも「今後このサイトをどういう戦略で運用していくか」は一切出てこなかったんです。

指示された更新をこなすだけ。

さらにWeb以外の業務も兼務する必要があり、結局その人は半年で退職してしまいました。

引き継いだサイトは、構成もサーバーも壊れていた

そのタイミングで、私が後任のWeb担当者として入社します。

サイトを確認して、頭を抱えました。

外注先と自社の担当者が、それぞれ手を加えた結果、構成がぐちゃぐちゃになっている。

サーバーも外注先のもので、表示速度が遅く、同時アクセスが増えると落ちてしまう状態でした

このサーバー移転の顛末は『制作会社のサーバーに入れてもらったら表示が遅くなった話』に詳しく書いています。

私がやったのは、外注先との契約終了、サーバーの切り替え、構成の作り直し、そしてサイト全体の見直し。

一から立て直すような作業でした。

つまり、外注も採用も「単独では」機能していなかった

ここで気づいてほしいのは、外注も社員採用も、どちらも単独では機能していなかったという事実です。

「外注がダメだったから採用した」

「採用がダメだったから外注に戻す」

そういう問題ではなかったんです。

なぜ作業者だと失敗するのか:サイトの目的が消えていく

では、何が本当の問題だったのか。

立て直しの過程で分かったのは、前任者が悪かったというより、作業者という役割そのものに構造的な欠陥があるということでした。

そのサイトの目的は「申込みを増やすこと」。

これははっきりしていました。

ところが実際のサイトは、いろいろな部署から「うちの実績も載せてほしい」「この情報も出してほしい」という依頼が次々に来て、それを言われるまま作業し続けた結果、何をしたいサイトなのか分からなくなっていたんです。

ここに、中小企業のWeb運用特有のジレンマがあります。

  • 経営者からは「申込みを増やせ」という要望が来る
  • 各部署からは「自分の部署の情報を載せたい」という要望が来る

この板挟みです。

そして作業者は、来た依頼を捌くことが仕事になってしまう。

一つひとつの作業は真面目にこなしているのに、その積み重ねでサイト全体の目的がどんどん希釈されていく。

申込みを増やすためのサイトが、各部署の掲示板みたいになっていく。

重要なのは、これは社員でも、御用聞きの外注でも同じことが起きるという点です。

雇用形態の問題ではなく、「来た依頼をこなすだけの人」を置いているかどうかの問題なんです。

Web担当者が本当にやるべきだった3つのこと

では、あのとき前任者(あるいは外注先)がやるべきだったことは何だったのか。

立て直しを通じて、私はこう整理しました。

1. 載せる情報と載せない情報を選ぶ

一番大事なのはこれです。「申込みを増やす」という目的に照らして、載せるべきでない情報には『載せません』と言うこと。

各部署の要望を全部受けていたら、目的はぼやけます。

目的に貢献しない情報を足し続けるのは、足し算ではなく引き算です。

実際、別のクライアントでは不要なコンテンツを思い切って削除した結果、CVRが0.9%から3.1%に改善しました

「載せない判断」がいかに成果を左右するか、数字が証明しています。

2. 載せるなら「見せ方」を設計する

載せると決めた情報も、ただ置けばいいわけではありません。

申込みという目的に向けて、どう見せれば効くのかを設計する。

同じ情報でも、構成と導線次第で成果は変わります

構成を立て直してアクセスが伸びた話は『サイト構成を変えただけでアクセス数が3倍になった話』に書いています。

3. 各部署とコミュニケーションを取り、目的を共有する

そして、これらを成立させるために不可欠なのが、各部署との調整です。

「なぜこれは載せて、これは載せないのか」を、目的に立ち返って説明し、すり合わせる。Web担当者の仕事の本質は、作業ではなく、この『目的を守る調整役』だったんです。

この3つができる人を置けていれば、社員でも外注でも成果は出ます。

逆に、この3つをやらない(やれない)人なら、社員でも外注でも申込みは増えません。

「採用か外注か」の落とし穴:社内の人ほどNoを言いにくい

ここで、雇用形態の話に一つだけ補足します。

実は「載せる/載せないを選ぶ」「目的を守る」という役割は、社内の人ほどやりにくい側面があります。

考えてみてください。

同じ社屋にいる他部署の人から「うちの実績を載せて」と言われて、社員のWeb担当者が「いえ、目的に合わないので載せません」と突っぱねられるでしょうか。

社内政治や人間関係の中にいる以上、Noは言いづらい。

だから依頼を捌く作業者になりやすい⋯。

前任者がそうなってしまったのも、能力の問題だけではなかったと思います。

その点、目的にだけ責任を負う外部の運用者は、線を引きやすい。

しがらみがないぶん、「この情報は申込みに繋がらないので載せません」とフラットに判断できます。

ただし、ここが肝心です。

外注なら誰でもいいわけではありません。

冒頭で書いたとおり、最初の外注は更新が遅く、目的を持たずに作業だけしていました。

御用聞きの外注は、社内の作業者と何も変わらないんです。

問われるべきは、外注かどうかではなく、戦略を持ってサイトの目的を守ってくれる運用者かどうか。

ここに尽きます。

結論:問うべきは「採用か外注か」ではなく「作業者か、運用者か」

整理します。

「Web担当者は採用と外注どっちがいいのか」と悩んでいる時点で、判断軸がズレています。

正しい問いはこうです。

「来た依頼をこなす作業者を置くのか、それとも目的を守る運用者を置くのか」

チェックすべきは、その人(または外注先)が次の3つをやれるかどうかです。

  • 目的に照らして「載せない」判断ができるか
  • サイトの目的を握り、ブレさせないか
  • 各部署と調整し、目的を共有できるか

そして現実問題として、この役割を担えるフルタイムの人材を月給で正社員採用するのは、多くの中小企業にとってハードルが高い。

私が見た前任者も、Web以外の業務と兼務させられて半年で潰れました。

専任で雇うには年収の負担も大きく、かといって兼務では機能しない。

だからこそ、「目的を守る運用者」を外部に持つという選択肢が現実的になります。

社員を雇わずに成果を出す仕組みについては、『Web担当者を雇わずにホームページを改善する方法』や、『Web担当者に向いている人の特徴』、『Web担当者がやるべきことの全体像』も合わせて読んでみてください。

まとめ

ホームページの申込みが増えないとき、原因を「担当者の能力」や「外注か社内か」に求めがちです。

でも本当の分かれ目は、もっと手前にあります。

もしあなたの会社のサイトが、各部署から「載せて」と言われるたびに情報が増え続けて、気づけば何のためのサイトなのか分からなくなっているとしたら⋯それは担当者が悪いのではなく、「目的を守る役割」を誰も担えていないサインかもしれません。

作業者を一人増やしても、この問題は解決しません。

必要なのは、目的に照らして取捨選択し、見せ方を設計し、社内を調整できる運用者です。


SALUTAMは、まさにこの「外部のWeb担当者」として、中小企業のサイト運用を目的から預かる仕事をしています。

「採用すべきか外注すべきか決めきれない」「サイトの方向性が定まらないまま更新だけ続いている」という段階でも構いません。

一度、今のサイトが何を目的にしているのかを一緒に整理するところから、お問い合わせでご相談ください。

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